食事の楽しみを連携して提供する

本来、食事は楽しいものですが、訪問介護を利用している人の多くは制限により楽しみを損ねていることもあります。
そこでヘルパーに求められているのは、指示されている食事の内容が利用者にとって本当に適切なのかという現状を問う視点かもしれません。
「なぜ刻み食にしなければならないのか」、「本当に甘いものはだめなのか」など、疑問を解消することが大切です。
その理由を知った上で支援することができれば、食べられるものが増える可能性もあります。
そのためには、管理栄養士などの専門職との連携が必要になるでしょう。

在宅高齢者が食において抱えている問題点は多岐にわたるため、家族だけで支えていくのは非常に難しいことです。
たとえば、加齢により食欲が減退して夫婦で一つの弁当を等分して食べていたり、一人暮らしで食材調達が困難になり、低栄養の傾向が見られるなどということもあります。
加えて、認知機能の低下や、うつ状態といった問題も抱えている可能性もあるのです。

そういった場合、ヘルパーをはじめ多職種が連携してプロの力を集結し、それぞれの視点で知恵を出し合えるのが訪問介護の現場の理想です。
管理栄養士が在宅高齢者に対して栄養や食事のアドバイス、サポートを行うのが訪問栄養食事指導ですが、利用者の調理支援をおこなっているヘルパーと連携することで、利用者さんにとってよりよい食生活を送る助けになります。
今後、ますます広がることが期待できるサービスとなっているため、しっかりと連携していくことが大切です。
こうした連携により、利用者の生活をより豊かなものにつなげていくことができるでしょう。